醸造家のワイナリー通信

新梢が勢いよく伸びています!

関東甲信越地方は、6月6日に梅雨入りしたとみられると発表されました。例年よりは1日早かったようです。梅雨入り後も、晴れの日も多いのですが、気温が低めであることもあり、ブドウの開花は少し遅れ気味です。しかし、一部では開花が始まってきました。これからしばらくの間は、新梢や雑草の伸びが最も著しくなり、畑仕事が最もいそがしい時期になってきます。
昨年はシカによる、ブドウの芽の食害などありましたが、今年は今のところ大きな問題はなく、ブドウは順調に生育しています。とはいっても、開花から収穫までの約100日間の天候で、今年のヴィンテージの良し悪しが決まりますので、これからよい天候が続くことを祈るばかりです。

前回の通信でお知らせしましたが、5月28日には「千曲川ワインゴーランド」の一環として、「とうみワインマルシェ」が開催されました。グラスではなくプラコップを使用するなど、まだこれまで通りとはいきませんが、久しぶりに多くの方とお話しをしながら、ワインや交流を楽しむことができました。
「千曲川ワインゴーランド」は、このコロナの状況において、小規模なイベントをこの地域の中で、同時多発的に開催して、遊園地のワインゴーランドのように周遊していただこうという試みです。今回は5月28日、29日の2日間に、東御市、小諸市、上田市(アリオ上田、シャトー・メルシャン椀子ワイナリー)、坂城町でイベントが開催されました。
各会場は、しなの鉄道の駅の近くにあるか、駅から離れた椀子ワイナリーへは路線バスで行けるなど、車の運転を気にすることもありませんでした。
初めての試みでしたが、複数の会場をまわって楽しむ人も多く、来年以降、さらにパワーアップして楽しいイベントになりそうです。

また、先日相次いで結果が発表された2つのコンペティション、International Wine Challenge(インターナショナル・ワイン・チャレンジ[IWC])と、Decanter World Wine Awards(デキャンター・ワールド・ワイン・アワード[DWWA])において「ヴィニュロンズリザーブ シャルドネ 2020」が “Silver” を受賞しました。さらに、DWWAでは「ヴィニュロンズ リザーブ メルロー 2019」が “Bronze” を受賞しました。
いずれもロンドンで開催された世界最大規模のコンペティションですから、そこで高い評価を得ることができたことは非常に栄誉なことと、スタッフ一同喜んでいますし、夏に向けて畑仕事がどんどんいそがしくなる中で、とても励まされています。今後も引き続き、更に上を目指して、レベルアップを続けていきたいと思います。
「ヴィニュロンズリザーブ シャルドネ 2020」「ヴィニュロンズリザーブ メルロー 2019」をぜひ、お試しください!

 

◇ヴィニュロンズリザーブ シャルドネ 2020
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芽が出ました!

ブドウ畑では、ゴールデンウィークの初め頃に萌芽がはじまり、今は展葉が徐々に進んでいます。

昨年は、この頃にシカに若芽を食べられてしまうという被害がありました。食べられた後でも、芽は再び出てくるのですが、その樹は実をつけないか、つけても非常に少ないので、被害のあった畑では収穫量が大幅に減ってしまいました。

このあたりでは、シカをはじめとした野生動物の被害が年々増えているようですので、今年は知り合いにワナを仕掛けてもらったり、シカ用の電気柵を設置したりして対策をしています。

 

今年は久しぶりに寒い冬で、雪も結構降りました。地元の農業改良普及センターの方によると、リンゴではすでに凍害による影響がみられるということでした。ブドウはこれからその影響が分かってきますので、そちらのほうも注意して見ていきたいと思います。

そろそろ遅霜の心配はない季節になってきたものの、これからの季節は豪雨が降るたびに雹の心配があるなど、自然の中で仕事をしていると何かと心配することがたくさんあります。できる対策はしっかりとして、今年もよい収穫ができるようにスタッフ一同、努力をしていく所存です。

 

 

依然としてコロナ禍ではありますが、ワイン関連のイベントも徐々に開催されるようになってきました。

直近では、528日(土)・29日(日) に、「千曲川ワインゴーランド」の開催が予定されています。

今回の「千曲川ワインゴーランド」では、大規模なイベントの開催が難しい状況の中、千曲川ワインバレー東地区に集積するワイナリーが、小諸市・東御市・上田市・坂城町で、さまざまなイベントを同時に、分散して開催します。

遊園地のメリーゴーランドで遊ぶように、ワインとブドウ畑と作り手を訪ねながらワインバレーを回遊して楽しんでいただくイベント。すべての会場に電車やバスで行くことができますので、車の運転を気にすることもありません。

ヴィラデストワイナリーは、東御市(しなの鉄道・田中駅前)と上田市(アリオ上田)のイベントに出展予定です。

みなさまにお会いできることを楽しみにしています!!

◆「千曲川ワインゴーランド」Facebookページ
https://www.facebook.com/naganowinegr/posts/117448794284573

 

 

結果母枝の誘引作業を行なっています

ブドウ畑では、剪定作業で残した「結果母枝(けっかぼし)」の誘引作業を行なっています。
剪定作業が終わった状態の枝(下の写真の左側)を、ワイヤーに沿って誘引してテープで固定します(同右側)。この「結果母枝」にある芽から新梢がでて、それがどんどん上に向けて成長する過程で花が咲き、そして実がなります。

この時期になると、よく「ブドウの涙」という言葉を耳にしますが、ヴィラデストの畑でもブドウの樹が水を吸い上げ、枝の切り口からポタポタと樹液が滴り落ちています。このような状態になると、冬は固かった枝が柔らかくなり、誘引が可能になります。ただ、油断すると途中でポキッと折れてしまいますので、慎重に作業を進めることが必要な仕事です。
これが終わったら、昨年枯れてしまった樹の場所に、新しい苗木を補植したりなどなど、ゴールデンウイーク頃に萌芽するまでにするべき仕事はたくさんありますが、4月下旬からは新たなスタッフも加わりますし、パワーアップして頑張ります!

 

4月7日には、日本ワイナリー協会主催で、『ハイブリッド・オンラインセミナー Making Pinot Noir in 2 places : Bourgogne & Hokkaido - 2拠点(ブルゴーニュ&北海道)でピノ・ノワールを造る』と題したピノ・ノワールのセミナーが開催されました。
フランス・ブルゴーニュの「ドメーヌ・ド・モンティーユ」と、日本の3会場(北海道、長野、山梨)をオンラインでつなぎ、まずはフランスから、エティエンヌ・ド・モンティーユさんのお話を聞きました。

その後のテイスティングセッションでは、モンティーユさんのほか、北海道からチトセワイナリー 三澤計史さん、山崎ワイナリー 山崎亮一さん、そして、長野からヴィラデストワイナリー 小西が参加。それぞれのワインを説明しながらテイスティングして、意見交換をしました。
オンライン視聴に加えて、会場でのリアル参加も可能なハイブリット方式で開催され、長野はヴィラデストの“兄弟ワイナリー”であるアルカンヴィーニュが会場となりました。

実は、最初にセミナーのタイトルを聞いたときに「どうして長野が入っていないの?」と思ったのですが、これはモンティーユさんが、北海道の函館でも畑を拓き、委託醸造ながら北海道のピノ・ノワールを用いてモンティーユブランドのワインをリリースされているから(仏・ブルゴーニュと北海道でワインをつくっているから)ということでした。
ちなみに、モンティーユさんはカリフォルニアでもピノ・ノワールをつくっているそうです・・。

モンティーユさんの北海道のピノ・ノワール、そして、ブルゴーニュはヴォルネイのピノ・ノワールを飲み比べましたが、どちらもその土地の個性を映した非常に魅力的なもので、どちらが優れているということはないように感じました。北海道のワインは非常に繊細で優しく、柔らかい味わい。モンティーユさんもその出来栄えにとても満足していたのが印象的で、日本では日本らしい唯一無二のワインをつくればいいのだ、と改めて認識することができ、とても貴重な経験になりました。

ピノ・ノワールは果皮が薄いので、収穫前に雨が降ると果粒が割れてしまい、暑い年は色づきが悪く、酸が下がりやすいなど栽培は容易ではありませんし、その土地の土壌や気候の影響を非常に敏感に反映する難しい品種です。しかし、ヴィラデストは雨が少なく冷涼であるという点で、ピノ・ノワールにとって日本で有数の恵まれた場所であることは間違いないと考えています。約1ヘクタールのピノ・ノワールの畑をしっかり管理して、更に魅力あるピノ・ノワールを造っていきたいという思いを新たにしました。
セミナーを企画された日本ワイナリー協会顧問の石井もと子さん、準備などお手伝いいただいた皆様、ありがとうございました!!

 

剪定も終盤です!

3月も下旬になり、ブドウ畑では剪定作業後の枝の片付けや、垣根のワイヤーに絡まったツル(病気の胞子がこれに付着して越冬する)などの除去を進めています。
春の萌芽までには、枯れてしまった木の補植や今年の結果母枝(種枝)の誘引作業など、まだまだ畑でするべきことは多いのですが、その間にも、2021年ヴィンテージワインのビン詰めなど、ワイナリー内での仕事も加わって徐々に忙しくなってきています。
この時期は、暖かくなったり、また寒くなったりを繰り返しますが、畑ではオオイヌノフグリの花が咲き始めるなど、標高850mのヴィラデストにも春が着実に近づいてきていることを感じます。

先日の地震の際にテレビを見ていて、地震が多い日本は、ヨーロッパと比べると、多様な地質が非常に細かく分布している、という話を耳にしました。
ヴィラデストワイナリーでは、ワイナリーの周りを中心として、数か所に畑が点在しているのですが、この狭い範囲の中でもかなり土壌の違いがあります。そして、その土壌の違いを最もワインに反映する品種が、ピノ・ノワールです。

ピノ・ノワールは、果皮が薄いために雨に弱く、日本での栽培は難しい品種と言われています。一方、日本でも有数の少雨で日照時間の長いエリアに属するヴィラデストでは、やや冷涼な気候を好むピノ・ノワールに適した気候条件の下、1992年に玉村が栽培を開始。その後も様々なクローン(系統)を試したり、果房への雨よけ(グレープガード)を導入したりするなど、試行錯誤をしながら畑を拡大してきました。現在では、ピノ・ノワールの品種個性を充分に発揮し、そして、日本らしい繊細な味わいのワインが生み出されるようになりました。

 

 【ヴィラデストの丘の上にある畑】   【田沢地区の畑】

 

ヴィラデストのピノ・ノワールの畑には、大きく分けて【ヴィラデストの丘の上にある畑】【田沢地区の畑】の2か所があります。畑の土壌は、前者は褐色森林粘土で、後者は火山灰性黒ボク土。それぞれの畑から収穫されたブドウで仕込んだワインは、色合い、味わい、香りともにかなり異なるキャラクターを持ち、それぞれの魅力を持っています。そして、通常、みなさまにお楽しみいただいている「ヴィラデスト ピノ・ノワール」は、その2つの畑から生まれたワインを原酒として、最終的にブレンドすることで、調和(ハーモニー)をとっています。

 

ヴィラデストワイナリーは、2003年に東御市初のワイナリーとして誕生し、来年で20周年を迎えますが、今年は、「20周年プレ企画」として、ピノ・ノワールのこのようなテロワールの違いを味わっていただく企画を準備しています。
ピノ・ノワールのそれぞれの畑を見学し、ワインの違いを樽の段階で確かめ、そして各樽を後日別々にビン詰めし、それらのワインをお届けする特別企画です。詳細については、近日中に発表いたしますので、ご興味のある方はぜひご検討ください!!

 

世界的に不安定な状況が続いていますが、一刻も早く平穏で平和な世界を取り戻し、ワインを心から楽しみたいものです。

 

剪定作業を始めました!

今年は久しぶりの寒い冬で、最低気温がマイナス10℃を下回ることも何日かありました。このように寒い日が続くと、凍害によってブドウの樹が枯死したり、病気を引き起こしてしまったりすることが心配されます。
剪定による切り傷がブドウの樹にダメージを与えることを少しでも避けるため、ヴィラデストでは少し寒さが和らぐ、2月上旬頃から剪定作業を開始することが多いです。スタッフには、これから始まるシーズンを元気に乗り切るため、1月中は少しのんびり過ごしてもらっています。

今年の2月は、福島県でワイン製造の講義、ホテルメトロポリタン長野での「NAGANO ワインフェス」、大阪での試飲イベントなど、2年ぶりに出張の予定がいろいろあったのですが、オンライン開催もしくは中止になりました。2年前にコロナが広がり始めたころには、このようにオンラインで講義やイベントが普通にできるとは想像できませんでした。これをきっかけに、この分野は更に進化しそうですが、デジタルで便利になった分、これまで以上にリアルである価値の大切さが求められる時代になるのだろうと考えます。剪定作業をしながらも、この景色の素晴らしさはリアルでないとなかなか伝わらないなと思いました (私の写真では、ですが)。

昨年伸びた枝を切り戻し、昨年の春先の状態にブドウの樹をリセットする剪定作業は、まだまだ始まったばかり。ワイナリーの周りから開始して、田沢地区、千曲川対岸の八重原地区、そして、御堂地区。合計約12ヘクタールすべてを終えるのは、3月中旬頃になりそうです。
剪定作業の合間には、防獣柵の設置や、苗木の接ぎ木作業、シードルのビン詰めなども行いつつ、2022年のシーズン本番に向けて、静寂の中、着実に準備を進めています。


上で少し触れましたが、2月19日(土)「NAGANO ワインフェス」がオンライン開催されます。
私も登場予定です。NAGANOワインを片手に、ぜひご参加ください!!
https://www.nagano-wine.jp/news/event/nagano-wine-fes-in-2022.html
*ワイン付きの有料参加枠は、すでに完売したそうです


今日は朝からずっと雪が降り続いています。

2022年も、よろしくお願いいたします

2022年になりました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

先日の3連休は、自宅の庭にあるブドウの樹の剪定を行いました (とは言っても10本ほどですが)。
我が家より250mほど高いヴィラデストのブドウ畑では、寒さのピークが過ぎる2月初めごろから開始する予定の剪定作業ですが、個人的には畑作業の中で一番好きな仕事です。
冬の静寂の中で黙々と昨年伸びた枝を切り戻し、今年、そして未来の樹形を形作る作業。20年以上もやっていると、あまり考えなくても体が勝手に動くようになっていますので、心が落ち着くとともに、今年のワインづくりに向けて気持ちが高まるのを感じます。

ヴィラデストワイナリーは、2003年10月に東御市初のワイナリーとして醸造を開始しました。それから19年目となり、来年には20周年を迎えます。この19年の間に、東御市内のワイナリーは12軒まで増えました。
2013年に玉村が『千曲川ワインバレー ~新しい農業への視点(集英社新書)』を書いたのを契機に “千曲川ワインバレー”という言葉も定着し、千曲川沿いに、2003年には5軒程度だったワイナリー数も30軒ほどに急増しました。
ヴィラデストの“兄弟ワイナリー”であるアルカンヴィーニュでは、2015年から「千曲川ワインアカデミー」を開講し、千曲川ワインバレーを中心として日本各地で卒業生が活躍するようになりました。全国のワイナリー数も400を超えたようです。

また近年、日本ワインの表示ルールも整備され、昨年は国から「GI長野(Geographical Indication:地理的表示)」の指定も受けました。昨年は長野、山形、大阪のGI指定があり、これまで指定されていた山梨、北海道を含めると日本ワインの8割以上を量的にはカバーするようになったそうです。
GI認定を受けているワインは、製法や成分など決められた条件をクリアし、さらに官能検査でもその品質が一定以上であると認定されたもの。消費者にとっては、そのワインを安心して手にとることができますし、また、各産地のブランド化にも大きく貢献すると期待されます。特に日本のワインのことを全く知らない海外の人からすれば、日本の産地を理解するうえでの大きな指針になるのではないでしょうか。

このように、ヴィラデストができてからの19年間で、日本ワインを取り巻く状況は大きく、そして良い方向に変わりました。しかし、未だに、日本国内で消費されるワインの中で、日本ワイン(日本国内で栽培されたブドウを100%使用して日本国内で醸造されたワイン)の占める割合は、わずか5%程度だそうで、もっと消費者の認知を高めていく努力が必要だと考えています。
また、海外のワイン先進国ではよく見る、共同のビン詰め設備や製品倉庫、農業機械、そして、苗木のウイルス問題や少ない品種の選択肢など、ワイン産業を支えるインフラ面で解決していくべき問題はたくさんあります。
個々のワイナリーの努力ももちろん必要ですが、全国で400(長野県内で60)を超えたワイナリーが、地域的にそして全国的に、協力して解決していくことの重要性はますます高まってきているのではないでしょうか。

今年の1月、2月は、試飲を含めた多くのイベントが計画されているのですが、直近のコロナ感染者数の急増を受けて、すでに中止が決まったものもあります。出鼻をくじかれた感もありますが、コロナ禍も3年目に入り様々な対処法やノウハウが蓄積されてきていますので、開催されるものも多いだろうと期待しています。
すぐに“アフターコロナ”とはいかない状況ですが、“ウィズコロナ”の中で、しっかりと前を向いて進んでいきたいと考えています!

まずは、大宮で開催される長野県ワイン協会主催のセミナーをご案内します。オンラインでの参加も可能なので、ぜひご検討ください!!

*イベントの情報、お申込みはこちらから

2021年も、あと僅かになりました

10月末に収穫、仕込みがひと段落した後も、防寒のためのブドウの樹への藁巻き、堆肥の施肥、御堂地区の畑での防獣柵の設置など、意外にいそがしい日々が続いています。その間に季節は秋から冬になり、2021年も残すところあと僅かになりました。
この後は、12月中旬のシードルの仕込みが終了すると、ワイナリーチームは剪定作業が始まるまでの間、しばし休息の時期に入ります。
今年は夏の長雨の影響が心配されましたが、収穫期の天候に恵まれたので、品質的にはすばらしいブドウを収穫することができました。2021年ヴィンテージのワインは、大いに期待できそうです。

収穫が終わってからは、久しぶりにいくつかイベントにも参加させていただきました。11月23日には、「GI長野(Geographical Indication:地理的表示)」のお披露目会が長野市で開催されました。私はヴィラデストからのオンライン中継で参加したのですが、イベントの準備に際して、「GI長野」に同時指定された日本酒業界の方々とも知り合うことができました。伝統産業である日本酒業界は、経営者層から若手までが分担して仕事をする体制ができていて、まだまだ若い長野県のワイン業界として見習うべき点が多くあると感じました。これを機にジャンルの垣根を越えて、長野県のお酒を盛り上げていければと思っています。
お披露目会の様子は、「NAGANO WINE オフィシャルサイト」で紹介されていますので、ぜひご覧ください!
https://www.nagano-wine.jp/news/news/2021.html

2021年は、年初から東京を中心に緊急事態宣言が発令され、夏にはデルタ株が猛威をふるい、昨年に引き続きコロナウイルスに翻弄される一年になりました。ただ、その中でも、ワクチンの接種が進んだことや、オンラインを通じたコミュニケーションの普及、感染リスクを低減させながら社会経済活動を継続する取り組みなど、人間の努力と工夫で今後に向けての明るさがしっかりと見えてきたように感じます。

そして、今年もヴィラデストは多くの人たちに支えられてきました。実際に訪れていただいたお客様、インターネットなどを通じて気にかけていただいたお客様、全国の酒販店・料飲店様、ブドウやリンゴを栽培していただいた生産農家様、地元や行政の皆さん。それから、スタッフのみんな。
これから冬本番になりますが、皆さま、お体に気を付けて、楽しいクリスマス、そして新年をお迎えください!
今年もありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします!!

2021年の収穫が無事、終わりました!

10月最終週にカベルネを収穫し、2021年の収穫はすべて終了しました。
今年は、8月のお盆頃から雨が降り続き、ブドウの成熟が心配されましたが、9月に入って秋らしい爽やかな晴天が続いたことから、糖度が急上昇し、さらに酸味も保持された、高品質で健全なブドウを収穫することができました。ワイナリー内では、まだ発酵中のタンクもありますが、大部分は発酵を終えて熟成の期間に入りました。
2021年ヴィンテージのワインは大いに期待できそうです。

収穫、仕込みは終わりましたが、スタッフはのんびりする暇もなく、本格的な冬が来る前に防寒のためのブドウの幹への藁巻き、堆肥の施肥、雨よけビニールや電気柵の片付けなどにいそしんでいます。
でも、無事に収穫が終わって、とにかくホッとしました。この数日で一気に紅葉が進みましたが、しばらく景色を見る余裕もない生活を送っていただけに、この美しい風景には癒されます。

ワクチン接種の拡大もあり、このところのコロナウイルスの新規感染者数は落ち着き、社会も動きつつあります。着実に、平穏な日々を取り戻し、親しい仲間と心置きなくワインが楽しめるようになることを祈るばかりです。
2020年の2月末ぐらいから、ほとんどのリアルイベントが中止になってきましたが、慎重に対策を施した上で、リアルイベントも徐々に再開されるようになってきました。ヴィラデストとしても、少しずつ参加を始めています。

11月23日には、こちらはオンラインが主になりますが、「GI長野(地理的表示)」指定のお披露目イベントが開催されます(主催:関東信越国税局)。長野市のメイン会場と4ワイナリー、4日本酒蔵をオンラインでつなぎ、ヴィラデストからの中継もあります。
メイン会場では、GI長野についてのパネルディスカッションもあり、GI長野を楽しく理解していただけるイベントになると思います。これを機会に、長野ワインのブランド化をより一層進めていきたいと考えます。
一般の方はオンラインでの参加ですが、事前の申込みが必要となります(無料、500名まで)。興味のある方は、ぜひご覧ください!

https://twitter.com/NaganoSake369/status/1456487902184050690/photo/1

収穫、仕込みの最盛期を迎えています!

前回の通信では、「ここから収穫終了までのあと約1か月半の間、昼夜の寒暖差の大きい、カラっと晴れた天気が続いてくれることを祈るばかりです。きっと、2021年もよい収穫が迎えられるでしょう」と、希望的観測で書いていましたが、まさに9月10日あたりから、晴天で昼夜の寒暖差が大きい秋晴れが続いていることから、ブドウの糖度はぐんぐん上昇し、非常によい状態で収穫が進んでいます。

 

病気が少なく、収穫に手間がかからないことや、天候がよいことから、収穫や仕込み作業も順調で、残すところワイナリー周辺のシャルドネとメルローとなりました。これらは、ヴィラデストのフラッグシップワインである「ヴィニュロンズリザーブ シャルドネ」や「ヴィニュロンズリザーブ メルロー」、「タザワメルロー」になるブドウですが、直近1か月の好天の恩恵を受けてすばらしい状態で熟しつつあります。

夏の長雨に耐え、そして最終的には収穫前に好天に恵まれ、その恩恵を受けられたこと。ずっと頑張って、畑を管理してくれたスタッフの努力の結果です。

 

2021年は、昨年に引き続きコロナウイルスに翻弄され、一方では東京オリンピック・パラリンピックが開催されるなど、記憶に残る年になりそうです。10月末頃まではいそがしい日々が続きますが、ブドウの力を充分に抽き出し、記憶に残るワインができるよう、ブドウ畑で、醸造所で、がんばります!
2021年ヴィンテージ、ご期待ください!!

収穫が近づいてきました

いよいよ、9月後半から始まる収穫が近づいてきました。ワイナリーの中では、仕込みに備えて掃除をしたり、機械の整備をしたりしています。ブドウ畑では、最後の仕上げの草刈りや、防獣用のネットや電気柵の設置などを進めており、無事にブドウが成熟するのを待つばかりになってきました。

 

今年は暖冬だったのですが、春は低温で、芽吹きはほぼ例年通りになりました。その後、一部の畑ではシカに新芽を食べられるなどの被害がありましたが、梅雨が短かったこともあり、7月から8月上旬にかけては晴れが多くなり、病気の発生も少なく、ブドウは順調に生育しました。ところが、お盆のころから長雨が続き、低温や日照不足で、少し心配な状況になってきました。

シーズンの最初から最後まで順調ということは、ブドウ栽培ではまずありません。特に、湿潤な日本の気候の中で、もともと乾燥した環境を好むブドウを栽培し、ワインをつくることは簡単なことではありません。しかし、この気候が、日本ワインの繊細で優しい味わいに繋がっていることも確かです。自然と共存しつつ、できる対策はしっかりしたうえで、適期に適切な栽培管理をおこなっていく。当たり前のことを愚直におこなっていくしかないのかなと思っています。

 

昨日は久しぶりに秋晴れになりました(今日はまた雨が降りましたが、明日は晴れそうです)。
幸い、スタッフの努力もあり、長雨に耐えてブドウはほぼ健全な状態。
ここから収穫終了までのあと約1か月半の間、昼夜の寒暖差の大きい、カラっと晴れた天気が続いてくれることを祈るばかりです。
きっと、2021年もよい収穫が迎えられるでしょう!!