醸造家のワイナリー通信

メーカーズディナーを開催しました

124日(金)、昨年オープンした「ワイン&ビアミュージアム(湯楽里館2階)」にて、ヴィラデストメーカーズディナーを開催しました。

現在、ヴィラデストカフェ、ショップは冬季休業中なのですが、ヴィラデストカフェの村山シェフによる料理とヴィラデストのワインを楽しめるとあって、ヴィラデストのご近所以外に、東京や千葉など、県外からもご参加いただき、楽しい会になりました。

今回、ワイン&ビアミュージアム初のメーカーズディナー開催でしたので、手探りではありましたが、せっかく湯楽里館の2階ですので、もう少し時間に余裕をもって、温泉にも入っていいただければ、もっとよかったかなと思います。

 

冬はワイナリーにとっては比較的余裕がある時期ですので、週末を中心にイベントや勉強会が続きます。この時期に、普段得られない経験や知識を得たり、人に会ったりなどして、様々なことを吸収したいと思います。

以下、2月に小西やスタッフが参加するイベントです。

どこかで皆さんにお会いできることを楽しみにしています!

 

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★ 2月1日(土)、11日(火祝)、15日(土)

  しなの鉄道 観光列車「ろくもん」にて【ヴィラデストワイナリー号】運行

★ 29日(日) NAGANO WINE FES in 東京 (@帝国ホテル)

★ 215日(土) 日本ワイン  ピノ・ノワール サミット (@台東館)

★ 223日(日) 東御ワインフェスタ in ちよだ (@ちよだプラットフォームスクウェア)

 

2020年も、よろしくお願いいたします

2020年になりました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
今年の冬は雪が少なく、過ごしやすい年明けになりましたが、やはり長野県の朝は寒いです。

昨年は、9月に好天に恵まれ、非常によいブドウが収穫できました。2019ヴィンテージのワインは大きな期待が持てそうです。また、新たに造成された東御市・御堂(みどう)地区のワインブドウ団地にて3ヘクタール、植栽を開始しました。
一方、周辺では台風による大きな自然災害もありました。地球温暖化の影響か、年々、気候が激しくなってきていますので、日頃の備えがこれまで以上に重要だと感じています。

東御市内ではワイナリーの数が10軒になりました。また、千曲川ワインバレー、長野県全体でもワイナリーやヴィンヤードの急増は続いています。ワイナリーが増えることにより、相乗効果で世間の注目を集めるようになりますし、ワインに関わる産業、たとえば飲食業や観光業でも新たな動きが生まれつつあります。
ただ、数が増えることで、各々のワイナリーが注目を集めることは難しくなっているのも確かです。だからこそ、ブドウやワインの質を高める努力を様々な側面から着実に進め、より魅力ある産地として発展していくこと、地域のワイナリーが協力して日本全国へ、そして世界へアピールしていくことが、ますます重要になってくると考えています。日本で消費されるワインのうち、日本ワイン(日本国内で栽培されたブドウを100%使用して日本国内で醸造されたワイン)の占める割合はわずか5%程度ですから、まだまだ大きな市場開拓の余地があります。

今年、ヴィラデストでは、東御市・八重原(やえはら)地区で2015年に始めた畑のメルローだけでつくったワインを、ファーストリリースします。八重原地区は非常に細かい粘土質土壌で、味の濃いお米や野菜がとれることで有名です。この畑でとれたメルローの赤ワインも、若い樹ながら将来に大きな期待が持てる、味わい深いワインになりました。
また、2018年9月の長雨の影響により発生したシャルドネの貴腐ブドウを使用した、ヴィラデスト初の貴腐ワインをリリースします。本格的な極甘口の味わいにご期待ください!
*いずれのワインも、春ごろの発売を予定しています。

「シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー」お披露目会に参加しました

先日、今年9月に開業した「シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー」のワイナリー関係者向けお披露目会に参加させていただきました。
ワイナリー関係者は、秋は収穫・仕込みで忙しいからということで、少し落ち着いたこの時期に開催されたそうです。

広大なブドウ畑の中の見晴らしのいい高台に立つ、真っ白な美しいワイナリー。工場内はすべて窓越しに見えるようになっていて、ブドウ畑からワインづくりまでの過程が公開され、そこでできたワインをブドウ畑を見ながら味わうことができます。

 

メルシャンが上田市(旧丸子町)の陣場大地にワインブドウの苗を植え付けたのは、2003年、まさにヴィラデストワイナリーが開業した年です。
当時、植樹祭が行われて、私も玉村のお付きで行ったことを憶えています。
今では本州では最大と思われる約20ヘクタールの壮観なブドウ畑が広がります。昨年までは収穫されたブドウはすべて山梨県に運ばれてワインになっていました。ブドウ栽培はもちろん、ワインづくりにおいても、醸造時期の外気温などがワインの質に大きな影響を与えますので、今年からは本当の意味で、椀子(マリコ)のテロワールを反映したワインが生み出されてくるのでしょう。

また、メルシャンのワイナリーが近くにできたことにより、優秀な技術者との情報交換や交流がさらに活発になりそうですし、この地域を訪れる人も増加するでしょう。千曲川ワインバレーのレベルアップにもきっとつながるだろうと、期待しています。

収穫、仕込みも終盤です

10月21日にタザワメルロー畑の収穫が終わり、あと少量のカベルネを残すのみとなりました。

 

今年は、9月からの好天で一気にブドウの糖度が上昇し、非常に健全で質の高いブドウが収穫できました。10月中旬の台風19号の影響が心配されましたが、ヴィラデストは特に被害なく、収穫・仕込みも終盤を迎えることができました。多くの皆様にご心配いただき、ありがとうございました。

 

 

しばらくはワイナリー内でワインの発酵や赤ワインのプレス作業、ブランデー(ヴィナッチャ)の蒸留など、まだ気を抜くことはできませんが、約1か月半続いた収穫が終わると一息つくことができそうです。

今年も多くの皆さんに収獲ボランティアで助けていただきました。2019ヴィンテージは大いに期待できそうです!

収穫、仕込みの最盛期を迎えています

ピノ・ノワールの収穫、仕込みを行いました。

 

今年は7月、8月と不順な天候が続きましたが、9月になり、晴天の日が多く、カラッとした昼夜の寒暖差が大きい条件が続いていますので、ブドウは非常によい状態で熟しています。2019ヴィンテージは、とても期待が持てそうです。スタッフも疲れが出るころですが、これまでの畑での努力が報われ、楽しく作業にあたっています。

 

 

ピノ・ノワールが終わると、ソーヴィニョンブラン、シャルドネ、メルローと10月20日頃まで収穫、仕込みが続きます。あとしばらく、好天が続くことを期待したいです。

収穫ボランティアの方も、たくさんお越しいただき、ありがとうございます!
今後も収穫ボランティアを募集する日程がありますので、よろしくお願いします!

 

9月になりました

8月下旬から朝晩、めっきり涼しくなってきました。今年は7月末までは涼しく雨続きだったのですが、8月前半から暑くなりました。その後、台風や、ゲリラ豪雨もあり、ブドウは今のところ例年より少し遅れめの生育なものの、9月に好天が続けば一気に盛り返すと期待しています。ここまで順調に生育していますので、収穫までのあと1か月~1か月半の天候がよいことを祈るばかりです。

 

収穫が近づくこの時期、イベントも活発に開催されています。

822日には長野県のアンテナショップ銀座NAGANOにて大人の休日倶楽部趣味の会のゲストとして千曲川ワインバレーやヴィラデストをご紹介させていただきました。また、24日は長野市にてワイン&シードルガーデン in 長野、25日は東京・白金台のラゴッチャ東京さんでヴィラデストメーカーズディナーを開催していただきました。

 

仕込みを前にして、お客様の感想を聞き、また自らのワインに改めて向き合うことで、新たな決意とインスピレーションを得ることができ、よい機会だととらえています。

91日に日本ワインコンクール公開テイスティング、9月7日には恒例の東御ワインフェスタが開催されます。その後は、収穫・仕込みに集中です。

 

梅雨明け、そして夏がやってきました

長野県では7月29日に梅雨明けが発表され、一気に暑くなってきました。
6月から7月にかけては、本当に曇や雨の日が多く、低温で日照量の少ない日が続きました。
ブドウの生育も少し遅れ気味で、わずかですがカビによる病気の発生もみられます。

ただ、梅雨にしっかり雨がふる年は、秋の収穫前に好天になる場合が多いものです。
これまでの経験からも収穫前の1か月の天気がよければ、かつ、それまでに病気をしっかり抑えられれば、よいヴィンテージになります。

今後の天気に期待して、これから夏本番の作業に臨みます。スタッフの日焼けも本番になってきました。

シャルドネの結実 ~ワイン産地としての東御市の魅力~

我が家の庭(標高約600m)のシャルドネに小さな実がつきました(写真上)。一方、ヴィラデスト周辺(標高約850m)のシャルドネは、ようやく結実しはじめたところで、まだ開花中のものもあります(写真下)。

東御市はどこを歩いても坂ばかりの町で、千曲川が流れているのが標高500mくらいなのですが、車で15分ほどのヴィラデストと標高差が約350mもあります。
そのため、狭いエリアでも、カベルネソービニヨンからゲヴュルツトラミネールやピノグリまで、さまざまな個性のある品種が栽培でき、このエリアのワイン産地としての魅力を高めてくれていると感じます。

今年は梅雨らしい梅雨で、連日、雲の多い雨がちの天候が続いています。気温もあまり上がらず、生育は少し遅れ気味ですが、全般的には今のところ順調に来ています。梅雨明けまではもう少しかかりそうなので、夏の太陽が待ち遠しいところです。

梅雨も近づき、新梢の伸びも勢いがついてきました

梅雨も近づき、新梢の伸びも勢いがついてきました。この時期はすこしでも油断すると、あっという間に作業が追い付かなくなってしまう忙しさ。ヴィラデストのブドウ畑も今年でほぼ10ヘクタールになりましたので、作業の効率化を図るとともに、機械化も重要な課題になっています。

日本では、稲作はかなり機械化が進んでいますが、ワインブドウは日本の農業全体からすれば未だ比重は小さく、また垣根式ブドウの歴史も浅いために、機械化はまだまだこれからです。海外のワイン生産国では様々なワインブドウ用作業機がありますが、海外製の大きなトラクターは、日本の狭小な畑では作業が難しく、アタッチメントも輸入のためメンテナンスも容易ではありません。

ヴィラデストでは、あるメーカーさんのワインブドウ作業機開発に数年前から協力しています。小回りの利くトラクターに、作業用のアタッチメントを取り付け、除草や摘心などの作業試験を続けて完成まであと少しになりました。
作業速度が劇的に上がることで、農業の基本である適期、適作業を実現するための大きな力になるのは間違いありません。

少し気が早いですが、機械化の次は自働化でしょうか?

ブドウが萌芽しました

今年は暖冬で芽がでるのが早くなるかと予想されましたが、春は気温が低く、結局、例年並みのゴールデンウイーク中に萌芽を迎えました。

今年がどのようなヴィンテージになるのか、これからの天候次第ですが、よい収穫を迎えられるよう、スタッフ皆でしっかりと栽培管理に取り組んでいきたいと思います。

5月8日には、ヴィラデスト周辺の最低気温が-0.4℃まで下がり、霜の害が心配されました。ヴィラデスト周辺のブドウ畑はほぼ被害がなかったのですが、すこし離れた八重原の自社畑では、わずかですが、出たばかりの新芽が霜にあたり、茶色に変色し触るとパリパリと崩れるという被害を受けました。これからもう少しの期間、遅霜には注意が必要です。

この八重原畑は2015年から植え付けを始め、今年にはほぼ成園と言っていいところまで成長しました。ヴィラデストとは千曲川を挟んで反対側になり、千曲川にほぼ垂直に切り立つ崖の上の台地にあります。畑のすぐわきには、戦国時代に狼煙台として使われた外山城址があり、雄大な景色が拡がります。

八重原のメルロは、今年の冬に本数限定で発売する予定です。ご期待ください!