醸造家のワイナリー通信

春が近づいてきました

2月も中旬を過ぎ、徐々に太陽の光が強くなってきました。

25日にまとまって降った雪も、日陰を除けばほぼ解けて、剪定作業は順調に進んでいます。これからしばらくは、暖かくなったり寒くなったりしながら春が近づいてきます。

 
平年の冬だとヴィラデストは-10℃以下になることも多く、降雪量が元来少ない地域なので、寒風がブドウの樹を直撃して発生する凍害を心配することが多いのですが (そのために若木には幹に藁を巻いています)、今年は暖冬傾向で今のところその心配はなさそうです。

ただし、この時期に暖かくなりすぎると、休眠から目覚めたブドウの樹が樹液を吸い上げ、再度寒くなって凍害にあうということもありますので、まだまだ安心はできません。

12ヘクタールあるブドウ畑の剪定作業は3月中旬まで続く予定です。


この時期、ワイナリーは比較的時間の余裕があるので、メーカー間の交流や勉強会がおこなわれたり、一般消費者や業界関係者向けの試飲会なども多く開催されます。

先日、カリフォルニアでワインをつくっているブルゴーニュ出身のワインメーカー、ステファン・ヴィヴィアさんが、ヴィラデストやアルカンヴィーニュを訪問されました。ワインの伝統国フランス、新興国アメリカで長い経験を積んだステファンさんは、超新興国である日本におけるワインの可能性や、チャレンジ精神に非常に興味を持たれていました。とても気さくで親しみやすい人柄で、話がはずみ、私もとても刺激を受けました。

来週はスタッフとともに、県内のワイナリーをまわって、主に畑での作業や作業機械について、話を聞きに行く予定です。
着々と剪定作業を進めながらも、昨年よりもパワーアップしたチームで春からの新しいシーズンを迎えられるように準備をしています。

去る28日には、松本市で長野県ワイン協会主催の業者(酒販店、飲食業、宿泊業など)向けの試飲会が開催されました。長野県内を中心に360名が来場し、活発な試飲・商談がおこなわれました。本格的に“コロナ明け”となって、新たにNAGANO WINEに力を入れようとしている飲食店や宿泊業関係の方が目立ちました。また、輸出関係の問い合わせが増えたのも印象的でした。

 

来月320日には、パーク ハイアット 東京のレストラン、日本料理「梢」様にて、スペシャルワインディナー「ヴィラデスト ガーデンファーム アンド ワイナリー」を開催していただきます。「シュヴァリエ デュ タストヴァン」を持つ内藤邦夫氏のナビゲートで小西がヴィラデストのワインやワイナリーの紹介をし、吉田料理長が創り上げる和食とヴィラデストワインのマリアージュをご堪能いただきます。

詳しくはこちらをご覧ください
https://restaurants.tokyo.park.hyatt.co.jp/news/5136.html

 

そして、いよいよ31日からはヴィラデストのワイナリーショップ、カフェが冬季休業を終えて、再開します。

ワイナリーで皆様にお会いできることを楽しみにお待ちしています!!

2024年もよろしくお願いします

ヴィラデストでは年末年始、少し長めの休暇をとり、19日から仕事を開始しています。

カフェとショップは1月、2月はお休みをいただいていますが(31日オープンです)、セラー内作業など冬の仕事を着実に進めています。

今のところ気温は比較的高めで(といっても-5℃くらいまでは下がります)、雪も少ない冬ですが、例年、1月末頃は最も冷え込む時期ということもあり、現在はセラー内でワインのラベルを貼るなどの作業が中心です。また、昨年仕込んだワインを樽で熟成していますが、2週間に一度は、蒸発して減ってしまうワインを補って、樽が満量の状態にする「ウイヤージュ(補酒)」を行います。樽の上部に空間があると、酸素を好む産膜酵母が増えて、オフフレーバーの原因になるからです。

   

2月になると太陽の光が少しずつ強くなってきますので、悪天候でなければ畑にでて剪定作業を行います。剪定作業は、前年に伸びた新梢を切り戻し、樹形の維持や着果量の調整などにつながる作業で、今年だけでなく今後数年にわたってブドウの生育に影響を及ぼす大事な作業です。寒い中での作業ですが、逆に神経が研ぎ澄まされ、新たなシーズンが始まったという気持ちになります。

今年は2019年から植え付けを開始した御堂地区の畑の収穫が、一部の区画でいよいよ本格的になってきます。ヴィラデストでは、増産されるブドウを原料として、スパークリングワインなど新しいジャンルに挑戦していきます。

御堂地区の畑は、ヴィラデストをはじめ、10軒のワイナリーや農家が入る計27ヘクタールの“ワインブドウ団地”で、対岸のメルシャン・マリコワイナリーに並ぶ本州最大規模の一面のワインブドウ畑です。

今年中には畑の一角にワインの試飲・販売施設を東御市が建設する予定で、一般の方が訪れることができる場所にもなります。一面のブドウ畑から見下ろす千曲川流域の景色は圧巻です!

今年は、ヴィラデストの兄弟ワイナリー「アルカンヴィーニュ」で開催する、「千曲川ワインアカデミー」が10年目を迎えます。千曲川ワインバレー周辺には、卒業生が中心となり、ワイナリーが急増しています。地域のワイナリーや行政、関連する様々な業種の方と連携して、千曲川ワインバレーがこれまで以上に国内外から多くの人が訪れる、魅力のある産地になるよう盛り上げていきたいと思います。

本年もどうぞよろしくお願いいたします!!

今年もありがとうございました

2023年も、残すところあとわずかになりました。

今年は過去に例を見ないほどの猛暑と少雨の夏になりました。これまでにない異常気象のため、どのようにブドウが熟するのか予想が難しい年ではありましたが、結果的に、ブドウの糖度や熟度は上がり、病気も少なく、2023年ヴィンテージは濃縮感のあるワインが期待できそうです。

 

ブドウの収穫が終わってから、畑への堆肥の投入や、ブドウの若樹を冬の寒さから守るための藁巻きを、本格的な寒さが到来する前に実施しました。12月10日頃にはシードルの仕込みをおこない、現在、冬の寒さの中、低温でゆっくりと発酵が進行しています。

 

12月も長野県内や東京でいくつかのイベントに参加させていただきましたが、1213日には、「『日本ワインを知る・千曲川ワインバレーの歩み!』~ヴィラデストワイナリー20周年&アルカンヴィーニュpre10周年特別試飲会~」(株式会社CruX主催)を、東京・大手町にて移転オープン直前の NINJA TOKYO で開催いただきました。

長い間お世話になっている方や新たに知り合う方、多くの方々にご来場いただき、ワインを楽しんでいただくことができました。この20年でヴィラデストの畑は拡がり、ブドウの樹の樹齢も高くなり、ワインのバラエティや味わい深さが増したことを感じていただけたのではないかと思います。

また、ヴィラデストの “兄弟ワイナリー” である「アルカンヴィーニュ」や、アルカンヴィーニュで開催する「千曲川ワインアカデミー」の卒業生5名も参加し、卒業生が委託醸造するワインも楽しんでいただきました。

千曲川ワインバレーのこれまでの歩みや現状、魅力を感じていただけたのではないでしょうか。

 

今年は、ゴールデンウイーク明けの58日から新型コロナウイルス感染症の位置づけが「5類感染症」になり、本格的に社会活動が活発化しました。私たちもコロナ禍以前よりも多いくらいの社外のイベントに参加し、ヴィラデストとしては創業20周年の記念イベントや4年ぶりの「ワイナリー祭り」を開催するなど、多くのお客様とお会いし、直接お話しする機会がたくさんありました。

また、今年は多くのボランティアの方々にブドウ収穫のお手伝いをしていただき、あらためて、ワインを通じた交流の大切さを認識させられました。

 

2023年、今年もヴィラデストをご愛顧いただき、本当にありがとうございました!
2024年が、皆さまにとってより良い年になりますように!!

2023年ヴィンテージワインの樽熟成を開始しました

10月末にブドウの収穫が終了しましたが、その後もワイナリーの中では、赤ワインの“かもし発酵”やプレス作業が続いていました。
赤ワインは果皮を果汁に漬け込みながら発酵(=かもし発酵)し、その間にアントシアニンなどの色素や渋みのもとになるタンニン分を抽出するわけですが、お茶や紅茶を淹れるときと同様、ほどよい抽出が大事で、“かもし”をどれくらいの日数行うのか、1日に何回攪拌するのかなどの、ワインメーカーの判断が重要になります。

また、“かもし発酵”をする際に、ブドウをどれくらいつぶすかにも気を遣っています。
ブドウを完全に破砕すると、発酵は短期間で終了しますが、味わいが単調になるように感じていて、完全につぶすのではなく中程度にブドウをつぶしたり、半分は破砕するが残りは全く破砕しなかったり、「ヴィラデスト ピノ・ノワール」であれば一部は房ごと“かもし発酵”をしたりなど、いろいろなつぶし加減のブドウ粒が混在するような状況で発酵することにより、ワインの味わいに複雑さや奥行きが加わればよいとイメージしています。
“かもし発酵”は2週間から3週間程度で終了し、その後、果皮やワインが一緒になっている“もろみ”をプレス(=圧搾)して、若いワインが得られます。その際にプレス機で圧搾する圧力も重要で、強すぎると渋いワインになりますし、弱すぎても物足りないワインになります。

 

11月中旬に最後に残っていたカベルネのプレスを終えて、2023年ヴィンテージのワインはすべて樽やタンクにおさまり、白ワインは来年の春、赤ワインは来年の秋、長いものでは再来年の春までゆっくりと熟成していきます。2023年は雨が少なく暑い年だったので、その気候を反映した濃縮感のあるワインが期待できそうです。

11月は「ヴィラデスト ワイナリー祭り」や東京でのイベント、軽井沢でのワインメーカーズディナーなど、いろいろな場所でお客様と交流し、今年のヴィンテージについて報告させていただく機会が多くありました。
さらに、12月13日には、東京・大手町にて、CruX社主催の「『日本ワインを知る・千曲川ワインバレーの歩み!』~ヴィラデスト20周年&アルカンヴィーニュpre10周年特別試飲会~」が開催されます。
ヴィラデストのワインが勢揃いするだけでなく、“兄弟ワイナリー”のアルカンヴィーニュや「千曲川ワインアカデミー」の卒業生も参加する、またとない機会です。
当日は、小西も東京に参ります。チケットはまだ若干の余裕があるようですので、ぜひ参加をご検討ください!

◆特別試飲会の詳細や参加申込はこちらから◆

 

2023年の収穫が終了しました!

10月25日のカベルネを最後に、2023年の収穫が終了しました。
今年は猛暑で少雨の夏でした。秋も雨が少なく、今のところ台風の影響もほとんどありません。9月15日に収穫を開始した時はまだ夏のようでしたが、9月の後半から朝晩の気温がぐっと下がり、昼夜の寒暖差の大きい、とてもよい条件で収穫を進めることができました。
暑い気候の影響を受けて、例年と比べるとブドウの糖度が高く、酸は穏やかではありますが、濃厚で熟したフルーツのニュアンスを感じるワインになるのではと考えています。
標高の高いヴィラデストのメルローやカベルネは、涼しい年だと少しブドウの熟度が足りないと感じることもありますが、今年は過去にないほど熟度が高く、そのブドウからできるワインが楽しみです。
今年はコロナ明けということもあり、延べ50名以上と、多くのボランティアの方に収穫を助けていただきました。皆さん、本当にありがとうございました!

 

収穫はひと段落ですが、ワイナリーではステンレスタンクやオークタンク、オークバレル(小樽)の中で発酵が順調に進んでいます。ここのところ朝晩冷え込むようになりました。一部のステンレスタンクには冷却設備もあり、温度コントロールができますが、木製の樽などは室温での発酵になります。
ヴィラデストでは、収穫の最盛期には気温が下がり、自然の室温であってもちょうどよい発酵温度で管理ができることが多く、ブドウ栽培だけでなく、醸造面でも優れた“テロワール(風土)”なのだと感じています。

 

ヴィラデストでは、赤ワインの搾りかすを原料として、蒸留酒(商品名:「ヴィナッチャ」。イタリアでは“グラッパ”と呼ばれるブランデーの一種)をつくっています。赤ワインは果皮や種を漬け込んで発酵をし、発酵が終了すると搾って果皮とワインを分離します。その分離した果皮に熱を加えてつくるのが「ヴィナッチャ」です。
日本ではほとんど製造されていないこともあり、私自身、2007年にイタリア・ピエモンテの名門「ベルタ蒸留所」で研修をさせていただき、蒸留器の構造や蒸留のノウハウを学んできました。
赤ワインを搾って、すぐにヴィナッチャの蒸留にとりかかると、ワイナリーには甘い干しブドウのような香りが漂います。

 

11月18日には東京でのイベントに参加させていただきます。
ベルサール六本木での「ヴァン・ジャポネ・フェス」と、東京ミッドタウン八重洲での「信州のIPPON!~長野の日本酒&ワインと出会う1日~」が同日開催。
皆様にお会いできることを楽しみにしています。ぜひ、ご参加ください!!

https://nihonwine.jp/vjf2023/

https://www.nagano-sake.net/information/5139

ブドウの収穫が始まりました!

今年は、私のヴィラデストでの20年余りの経験の中で最も早い、915日の自社畑での収穫開始です。

     

722日に梅雨明けしてから、史上最高と言われる高温が続き、雨の非常に少ない天候が続いています。ヴィラデストの圃場に設置した気象ポストでも、梅雨明けからのおよそ2か月間の降水量は200mmを切っています。この雨もほとんどが激しい夕立でしたので、雨の降っている時間はかなり短い印象です。

昨年2022年は、お盆明けから雨が降り続き、日照が極端に少なかったのと比べると対照的です。昨年はなかなか糖度が上がらずに苦しみましたが、今年はブドウの糖度は順調に上がっています。ただ、酸度は反比例して下がっていきますので、ペース良く収穫していく必要があります。2023年ヴィンテージは、平年のヴィラデストの冷涼な気候を感じさせる味わいとは異なり、しっかりと熟した果実味を感じるワインになりそうです。

     

まずは、ピノ・ノワール、そして、ソーヴィニョンブラン、ピノ・グリ、シャルドネ、メルロー、カベルネと10月中旬頃まで収穫・仕込みが続きます。しばらくはまた気の抜けない日々が続きますが、ブドウのポテンシャルをしっかりと抽き出し、この年の特徴を映し出すワインを目出して頑張ります!!

ヴェレゾンが始まりました!

7月22日に梅雨明けしてから、非常に雨の少ない高温な天候が続いています。
ブドウのヴェレゾン(果実の軟化、着色)は例年より少し早めのお盆前から始まりました。ヴェレゾンを境として、枝葉の成長から果実の成熟へとエネルギーの流れが転換します。例年だと収穫開始まではあと40日程度だと予想されますが、気象庁のホームページで調べてみると、東御市の直近1か月の平均気温は例年より1.5℃高いとのことで、早い収穫になるでしょうか。
いずれにせよ、これからの天候で2023年ヴィンテージのワインの出来が大きく左右されます。9月の天候が良いことを祈ります。

 

毎年のように今年は暑いと言っていますが、長い目で見ると新たな品種への取り組みも必要だと考えています。
ヴィラデストでは、日本ワインブドウ栽培協会(JVA)と協力していくつかの品種の試験栽培をしているのですが、長野県の場合は温暖化といっても数年に一度は-10℃以下が続くような寒い年がありますので、夏の高温や多雨化への対応と同時に、冬の寒さに耐えられるかという点も検証しながら有望な品種を探していきたいと思います。
今、温暖化に対応できると注目の、アルバリーニョやプティマンサンは、ヴィラデストでも20年近く前にそれぞれ10本ずつ植えましたが、耐寒性がないのか10年位ですべて枯れてしまいました。

 

9月中旬頃からブドウの収穫が始まると、連日の作業で全く余裕がなくなりますが、それまでの間には、いくつかイベントが開催されます。
8月26日には「ワイン&シードルガーデン in 長野」が長野駅東口公園にて長野県ワイン協会主催で開催されます。ワイン、シードルは27社が出店。150銘柄ほどが勢揃いする予定です。
長野市近郊の飲食店や、県産のクラフトビール、日本酒なども20ブースが出店し、ステージではコンサートも開催予定で、盛りだくさんに楽しんでいただけるイベントになりそうです。

 

また、9月2日には「東御ワインフェスタ」が、しなの鉄道「田中駅」近くの「JA信州うえだ ラ・ヴエリテ」屋外特設会場にて開催されます。従来の会場で開催されるのは4年ぶりです。
当初は東御市内に3軒だったワイナリーも今は13軒となり、東御ワインの多様性を楽しんでいただけるはずです。
私もブースでお待ちしていますので、ぜひ、お出かけください!

ブドウが結実しました

ブドウ畑では、ほぼ例年通りの6月中旬に開花し、結実した小さな実が日に日に大きくなりつつあります。今年は今のところ、雹などの被害もなく、順調に生育していますが、梅雨末期の大雨や天気の急変など、まだまだ気は抜けません。
いずれにせよ、今年のブドウの出来を左右する大事な時期が、これから収穫までのおよそ100日間。
無事によい収穫を迎えられることを祈りつつ、日々の畑作業を地道に進めていきます。

 

今の時期は新梢の伸びが一番旺盛な時期で、風通しや日当たりをよくするために新梢を真っ直ぐ立てる誘引作業を進めています。

誘引作業がひと段落すると、垣根の上部や側面を刈りそろえる、摘芯を行います。この摘芯は、以前はすべて手作業でやっていましたが、数年前からトラクターの摘芯アタッチメントを導入しましたので、ずいぶん時間と労力が削減できるようになりました。

機械の力も借りながら、手をかけるべきところはしっかりと手をかける。広い畑を管理する上で、このメリハリが重要なことだと考えています。

 

623日には、ヴィラデストワイナリーのワインを各地で販売していただいている酒販店の皆様をワイナリーにご招待し、「ヴィラデストワイナリー20周年記念試飲会」を開催しました。今回は17種類のワインを用意し、ワインの解説とともに、全種類テイスティングをしていただきました。

引き続き、ヴィラデストのワインの魅力を各地のお客様に伝えていただければ幸いです! 

 

今年は特に酒販店様や飲食店様向けの試飲会が各地で多く開催されており、私も東京・大阪・長野市などでブースに立たせていただく機会がありました。

この3年間はこのような出会いの場が限られていただけに、私たちにとっても貴重な機会ですし、参加者の皆さんの真剣度合いも高いように感じます。

これから、日本ワインが一段と元気になるためにも、様々な立場の方と連携できれば嬉しいです!

 

梅雨明けまではもう少しですが、梅雨の晴れ間は気温も上がり、いよいよヴィラデストにも夏がやってきました!!

新梢が勢いよく伸びてきました

今年は春先に暖かい日が続いたので、例年より少し早い萌芽でした。しかし、その後、肌寒い日が続いたり、一転して夏のように暑くなったり、気温のアップダウンの激しい天候が続き、新梢の成長はほぼ例年並みの成長具合になってきました。これからしばらくは旺盛に伸びる新梢の誘引や、雑草の草刈りに追われる季節になります。新梢の誘引では、新梢を真っ直ぐに立てることにより、風通しや日当たりを改善して病気を防ぎ、光合成を促します。

畑仕事の合間を縫って、2022年ヴィンテージワインのビン詰めも順調に進んでいます。しばらく売切れ状態が続いていた「ヴィニュロンズリザーブ シャルドネ」も、2022年ヴィンテージが 6月9日(金) にリリースになります。
2022年は暑い夏でした。9月の雨で結果的に例年と同じぐらいの収穫時期になりましたが、豊作で、特に白ワインの香りが華やかなヴィンテージになりました!

先月、5月27日・28日はイベントが目白押しの週末でした。しなの鉄道の田中駅、小諸駅、坂城駅の各駅前と、シャトー・メルシャン椀子ワイナリーを会場として「千曲川ワインゴーランド」が開催されました。遊園地のメリーゴーランドで遊ぶように、ワインとブドウ畑と作り手を訪ねながらワインバレーを回遊する “ワインゴーランド”。私は田中駅前の会場で出展していましたが、それぞれのイベントをお客様にお楽しみいただけたと思います。

そして、同じ週末に岩手県・花巻市で開催された「日本ワインフェスティバル花巻大迫2023」にはヴィラデストワイナリー営業担当の青島が遠征出展。2日間で3000人を超える来場があったそうですが、東北地方の皆さんにヴィラデストを知っていただくよい機会になったようです。
さらに、27日の夕方から夜にかけては、ヴィラデストカフェにてワインパーティー「信州の山の魚」を開催。信州の山々に育まれた魚を使った、村山シェフが腕によりをかけた渾身の料理と、ヴィラデストのワインをあわせてお楽しみいただきました。今年は、ここ数年の間我慢していた分、イベントが盛りだくさんです!

6月に入り、ますます畑がいそがしくなってきますが、新人2名が加わってパワーアップしたヴィラデストワイナリーチーム。
今年もよいヴィンテージになるよう、力を合わせてがんばります!!

もうすぐ萌芽です!

今年は暖かい春で、ブドウの萌芽は例年より少し早めの、ゴールデンウィークの前あたりになりそうです。ただ、暖かいと言っても朝晩はまだ冷えますし、時には0℃近くになることもあります。あまり早く芽が出ると遅霜による被害のリスクも高まります。

また、数年前には出たばかりの芽をシカに食べられてしまうという被害もありました。自然相手の仕事なので、思うようにはなりませんが、できるだけの対策をして、うまく自然と折り合いをつけていかねばなりません。

 

芽が出る前には、結果母枝の誘引や石灰硫黄合剤の散布を行うのですが、その間にワイナリーでは2021年の赤ワインや2022年の白ワインをビン詰めしています。

2021年は夏が涼しくブドウの熟期が遅れましたが、9月中旬以降の天気が良かったので、特に10月以降の収穫になる赤ワインにとって良いヴィンテージになりました。

一方、2022年は暑い夏でした。9月の雨で結果的に例年と同じぐらいの収穫時期になりましたが、豊作で、アロマティック系品種の白ワインの香りが華やかなヴィンテージになりました。新ヴィンテージのワインは今年の夏頃から順次発売となりますので、ご期待ください!

 

 2003年の秋に初醸造をしたヴィラデストワイナリーは、今年創業20周年を迎えます。20周年を記念して、樹齢20年以上の古樹(ヴィエイユ・ヴィーニュ、V.V. )のみを使用して醸した「ヴィニュロンズリザーブ シャルドネ V.V. 2021」がワイナリーショップ、オンラインショップ限定で販売中です。

https://villadest.shop-pro.jp/?pid=173466621

 

写真はヴィラデスト最古(ワイン専用品種としては東御市内でも最古)のブドウの樹で、31年前、1992年に玉村が植えました。それぞれの樹の姿に個性と風格と歴史を感じます!