醸造家のワイナリー通信

本年もどうぞよろしくお願いします

2026年になりました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
2023年からの3年間は、記録的な猛暑が続き、地球温暖化の影響を強く実感する日々でした。現在も世界では争いが絶えず、自己中心的な動きも目立つようになり、今後も気候変動が続くのは間違いありません。今年の気候がどのようになるかは予測がつきませんが、ブドウ畑を丁寧に観察し、先手を打ちながら対応することで、良質なブドウ、そして良質なワインづくりを目指して努力していこうと考えています。

年始から厳しい寒さが続いていますが、畑では1月末頃から剪定作業を始める予定です。前回の本日誌でも触れましたが、12月には日本ワインブドウ栽培協会(JVA)が主催し、イタリアから剪定の専門家マルコ・シモニット氏を招いたセミナーが東御市で開催されました。シモニット氏にはヴィラデストの畑にもお越しいただき、貴重なお話を伺うことができました。ヴィラデストでは経験年数の異なるスタッフが剪定を行うため、まずはセミナーでの学びを改めてチームで共有し、そのうえで畑での作業に臨むつもりです。

また、2月には、酒類事業者向け・一般のお客様向けのさまざまなイベントに参加いたします。どこかで皆さまとお会いできれば幸いです!

■ 2月のイベント情報

● 2月4日(水)
**Feel Japan Wine ! 試飲会(酒類事業者限定)**
開催日時:2026年2月4日(水)
2部制・各回110分
1部 12:30~14:20 / 2部 14:40~16:30
場所:ホテルモントレ銀座(東京都中央区銀座2-10-2)
申し込み:https://japanwine2026.peatix.com/

● 2月7日(土)
**しなの鉄道「ろくもん」冬の信州クルーズ**
観光列車「ろくもん」が、軽井沢駅から妙高高原駅まで特別運行を行います。
「ワインコース」では、ヴィラデストカフェ・村山シェフの料理に合わせて、私・小西がヴィラデストのワインをご紹介しながら、冬の信州の列車旅をお楽しみいただきます。細川奈津子氏によるヴァイオリン演奏も予定されています。

行程:
軽井沢駅(15:28頃発)→ 妙高高原駅(18:19頃着/18:34頃発)→ 長野駅(19:38頃着)
詳細:https://www.shinanorailway.co.jp/rokumon/news/2025/12/post-183.php

● 2月9日(月)
**GI NAGANOWINE 試飲会2026(酒類事業者限定)**
日時:2月9日(月)14:00~17:00
場所:ホテルメトロポリタン長野「浅間」
参加費:1,000円(事前申し込み不要)

● 2月20日(金)
**ヒカリヤニシ メーカーズディナー**
松本のヒカリヤニシにて、ヴィラデストワイナリーとジオヒルズワイナリー(小諸)によるメーカーズディナーを開催します。
ヴィラデストからは小西に加え、村山シェフも参加。ヒカリヤニシ・田邉シェフとヴィラデストカフェ・村山シェフによる料理の共演、そして両ワイナリーのワインをあわせたペアリングをお楽しみください。

場所:ヒカリヤニシ(長野県松本市大手4-7-14)
お申込み:お電話またはWeb
TEL:0263-38-0186


シードルの仕込み作業終了、今年も残りあとわずか

シードルの仕込み作業も終了し、今年も残りあとわずかとなりました。ぶどう畑では、防寒のための藁を巻かれた若木のぶどうが、これから2ヶ月ほど続く本格的な冬の寒さに備えています。近年は温暖化の影響もあり、極端な低温になることは少なくなりましたが、数年に一度はマイナス10℃以下の日が続く非常に寒い年もあります。そのため、ヴィラデストでは植栽からおよそ5年以下の若木には、毎年丁寧に藁を巻くことにしています。寒さや乾燥によってぶどうの木に傷ができると、そこから根頭がんしゅ病などの病気が発生することがあります。そうしたリスクを避けるための重要な作業です。    


この12月には、私も理事を務める「日本ワインブドウ栽培協会 (JVA)」にて、バージニア工科大学の荷田准教授、そしてイタリアから剪定のコンサルタントとして世界的に有名なマルコ・シモニット氏を招聘して、東御市にて2度のセミナーを開催し、大変貴重なお話を聞くことができました。お二人ともに、長年にわたる剪定傷がぶどうの木に与える悪影響や、傷からの乾燥や病原菌の感染についてお話されていました。特に樹齢を重ねてくると、長年の剪定の影響が大きくなってきます。

海外の産地においても、これまでは「果実」の品質や「樹冠管理(キャノピーマネージメント)」について考えることは多かったのですが、「ぶどうの幹」の健康について、そして剪定が与える影響については、あまり深く考えられてこなかったようです。ヴィラデストのぶどうも樹齢20年を超える木が多くなってきていますので、今回学んだことを今後の剪定に活かし、これからも長く健康な木を維持していくため、スタッフと一緒に考えたいと思っています。

今年は雨も少なく、暑い夏でしたが、そのおかげでぶどうはとても健全でしっかりとした出来栄えになり、良いワインが期待できそうです。この3年は特に異常な暑さが続きましたが、今後も温暖化の傾向が続くのは間違いありません。

様々な情報などをうまく活用しながら、最終的にはこの土地の気候風土をしっかりと反映した魅力あふれるワインをつくるために、努力していきたいと思います。

本年もヴィラデストを応援していただき、誠にありがとうございました。どうぞ楽しい年末年始のシーズンをお過ごしください。

 

 

赤ワインのプレスも終了しました!

すっかりブドウの葉も紅葉し、落葉も間近になりました。

今日(1117日)の、カベルネの圧搾(プレス)、そして、搾りかす(ヴィナッチャ)の蒸留をもってブドウの仕込はすべて終了しました。

あと、12月にリンゴのシードル仕込が少しありますが、無事にブドウのシーズンを終えることができて、まずはホッとしているところです。

今年の夏は猛暑で、例年より2週間以上早めの9月頭に収穫を開始しました、その頃は暑い中での収穫だったのが嘘のように、今はすっかり寒くなりました。例年、9月から11月中旬の時期は収穫、仕込に追われて、時間があっという間に過ぎてしまうものですが、これからようやく少し落ち着いて仕事ができるシーズンがやって来ます。

 

今年は夏の雨が少なく、そのおかげでとても健全なブドウを収穫することができました。病果が少ないので、収穫も非常にスムーズでした。また、ブドウが健全でないと、様々な雑菌が増えて、オフフレーバーの発生につながったり、雑菌の繁殖を防ぐために亜硫酸塩の使用量を増やしたりなどしなければならず、健全なブドウを収穫できることのありがたさを改めて感じました。健全なブドウを健全に醸すことで、クリーンでその土地の風土を反映した味わいのワインになります。

健全なブドウを収穫するためには、まずはその土地の気候にあった品種を選択することが大事です。長野県東御市は全国的にみても小雨で晴れが多く、また標高が高いので日本の中では冷涼で、私たちの栽培しているフランス原産の品種に適しています。

ただ、そうは言っても雨の多い年もありますし、近年の温暖化で気候も変化しています。私たちも特に繊細なピノ・ノワールには雨よけを導入したり、雨や暑さに強い品種を試したりしていますが、自然の中での栽培では思い通りにいかない時もあります。

これからの冬の間には、様々な講師を招いた講演会などが開催されます。スタッフと一緒に、来年に向けて勉強したいと考えています。

2025年の収穫、仕込が(ほぼ)終了しました

 2025年の収穫及び仕込が(ほぼ)終了しました、残るは少量のカベルネフランとカベルネソービニヨンです。
これまでお伝えしているように、今年の夏は過去最高の暑さ、また非常に雨が少ない夏になりました。その影響で、ブドウの熟度が上がるのが早く、ヴィラデストとしては異例の9月あたまからの収穫開始になりました。しかし、その後、曇りの日が多く、雨もそれなりに降ったので、最終的には糖度はほどよく高く、酸は落ちすぎず、病気の発生は少なく、とてもいい状態のブドウが収穫できた良年になりました。
収穫終了といっても、ワイナリーの中では、まだ発酵は続いていますし、樽の管理や赤ワインのプレス、グラッパの蒸留などの作業も残っていますので、この素晴らしいブドウのポテンシャルをしっかりと抽きだしたワインに仕上げられるように、スタッフ一同作業に当たっています。

また、今年は100名をこえるボランティア、アルバイトの方に収穫をお手伝いいただきました。お陰様で12ヘクタールの畑でスムーズに収穫を進めることができました。
本当にありがとうございました。
今年はブドウが健全であることもあり、例年以上に収穫を楽しんでいただけたように思います。収穫の合間には工場で発酵の様子を見学していただいたりなどして、2025ヴィンテージのリリースが楽しみ、という声をたくさんいただきました。また、市内でワインブドウ生産者やワイナリーが増えたこともあり、収穫ボランティアついでにワイナリー巡りを楽しむ人もたくさんいらっしゃいました。

また、ヴィラデストでは、赤ワインの搾りかすを原料として、蒸留酒(商品名:「ヴィナッチャ」。イタリアでは“グラッパ”と呼ばれるブランデーの一種)をつくっています。赤ワインは果皮や種を漬け込んで発酵をし、発酵が終了すると搾って果皮とワインを分離します。その分離した果皮に熱を加えてつくるのが「ヴィナッチャ」です。
日本ではほとんど製造されていないこともあり、私自身、2007年にイタリア・ピエモンテの名門「ベルタ蒸留所」で研修し、蒸留器の構造や蒸留のノウハウを学んできました。赤ワインを搾って、すぐにヴィナッチャの蒸留にとりかかると、ワイナリーには甘い干しブドウのような香りが漂い、いよいよ今年の仕込みシーズンも終盤戦だなと感じています。

    

収穫、仕込が始まりました!

今年は過去最高の暑さ、また雨が非常に少ない夏になりました。その影響で、ブドウの熟度が上がるのが早く、ヴィラデストとしては異例の9月あたまからの収穫開始になりました。長期予報によると、9月、10月も例年よりも暑くなりそうとのことですが、ブドウの成熟スピードが速く、うかうかしていると収穫時期を逃してしまいますので、例年以上に気をつかって良いタイミングに収穫できるように務めています。9月に入っても暑い日が続いていますが、朝晩はようやく涼しくなってきましたので、この調子で昼夜の寒暖差の大きい好天がつづくことを期待したいです。今のところ、果実は健全で非常によい状態のブドウが収穫できています。

2025年ヴィンテージは、今年の気候を反映して、太陽の光を十分に感じる、果実感や濃縮感の高い素晴らしいヴィンテージが期待できそうです。

収穫終了の10月中旬まで、スタッフ一同、力をあわせて収穫やワインづくりに励みます。

 

2019年から栽培を開始した、御堂ワインブドウ団地の3ヘクタールのヴィラデスト畑でも収穫が始まりました。もう一息で成木といえるまで成長してきましたので、今年はまとまった収穫になりそうです。

この御堂ワインブドウ団地では、市内11のワイナリーや栽培者が、まとまった27ヘクタールの畑でワインブドウを栽培しています。各栽培者のブドウが育ってきましたが、この広大な畑はやはり壮観です。今年は、団地内にワインを販売したり、試飲もできる「ワインテラス御堂」が営業を開始しました。とても眺めのよいテラスやゆったりくつろげるスペースなどありますので、ぜひ一度お訪ねください。

畑で収穫したブドウはすぐに工場で仕込みに入ります。非常にいいブドウが収穫できていますので、醸造でそのブドウの力を十分に抽きだすように、細心の注意で仕込んでいきます。また昨年は、卵形のコンクリートタンクを使用したオレンジワインを初醸造しました(間もなく発売開始です!)。オレンジワインは白ワイン用のブドウを用い、赤ワインのように、果汁に果皮を漬け込んで、かもし発酵をしてつくるワインで、果皮由来のオレンジの色あい、あんずやドライフルーツ、紅茶やナッツを思わせる複雑な香り、適度な渋みが味わいに厚みを与える、余韻の長い味わいです。2年目の今年は、昨年得た知見を生かしつつ、さらに魅力的なオレンジワインを目指したいと考えています。

  

これから10月中旬まで収穫や仕込に追われることになりますが、ヴィラデストワイナリーではワインブドウの収穫ボランティアを募集しています。弊社ホームページなどから、専用応募フォームでお申し込みください。ワインブドウの収穫は結構単純な作業で、収穫していると雑念が払われて無心になれるので好きだという方も多いです。

ただ、飽き性の方にはあまり向いていないかもしれません。いずれにせよ、秋の休日、美しい景色の中でのブドウ収穫ボランティア、ご検討ください!

梅雨が明け、本格的な夏がやってきました!

今年は当地では、6月10日に梅雨入りし、7月18日に梅雨明けしましたが、全般として空梅雨で、ゲリラ豪雨的な大雨が降ることはありましたが、シトシトと雨が降り続くことがありませんでした。また、梅雨の合間も気温が高く、暑い日が続きました。

今のところ、ブドウ畑は病気の発生も少なく、順調に生育していますが、これからの夏も猛暑が続くと、縮果症や晩腐病などの暑い夏特有の生理障害や病気が発生するおそれがあり、まだまだ気を抜けません。

これからの時期は新梢の摘心により、ブドウ樹内の風通しをよくして病気を防いだり、除葉や摘房を実施して、ブドウの房に日光を当てたり、収穫量を調整してブドウの品質を上げたりという作業を行います。房に日を当てすぎると、前述の縮果症を招くこともあるので、適度に光をあててブドウの成熟を促してあげます。

今年も暑いので、例年より収穫開始日は早くなりそうです。昨年は9月10日頃の開始でしたが、今年は9月に入ったら臨戦態勢をとれるように準備していきたいと思います。ワイナリーの中では、2025年の仕込みが始まる前に、2024年ワイン(特に白)の瓶詰めを終えるべく、こちらも頑張っています。

暑い暑いと言っていますが、先日、東京に出張したらもっと暑かったです。やはり東御はそれでも涼しいですね!
ヴィラデストではガーデンも花が咲き、ブドウ畑も緑が美しい時期です。ぜひ、夏休みにおでかけください!!

梅雨入り、そして開花が始まりました。

6月10日に長野県でも梅雨入りし、それに伴って新梢の伸びも勢いを増しています。ブドウ畑では、例年より少し早めに開花が始まりましたが、梅雨入りしてから気温が低めなので、ゆっくりと開花が進んでいるようです。開花の時期は日本では梅雨の時期に重なりますので、雨や低温で開花後の結実がうまくいかないこともあります。また、雨によりカビ系の病気が発生したりなど、ブドウ栽培にとっては難しい条件が重なります。それでも東御エリアは、日本有数の雨の少ない地域。ヴィラデストではピノノワールに雨よけ(グレープガード)を導入するなど、工夫をしながら、この梅雨の時期を乗り切っていきます。

 

これから6月、7月と最も新梢が伸びますので、新梢内の風通しを良くし、葉への日当たりを改善するためのキャノピーマネジメント(新梢管理)や消毒、除草などに追われる日々が続きます。開花から約100日で収穫と言われます。これからの3ヶ月間の天気や畑での頑張りで、今年のワインの出来が決まりますので、12ヘクタールの畑は広いですが、スタッフ一同頑張ります! 

6月1日にはヴィラデストワイナリー祭りを開催しました。天気を心配しましたが、ほぼ雨が降ることはなく、多くのお客様にご来場いただき、ありがとうございました。イベントコーナーでは、過去約20年間の間に、私と一緒に畑やワイナリーで働いてきた元スタッフや現役スタッフとのトークショーも開催。すでに独立して東御市内でワイナリーを営んでいる元スタッフもいて、ヴィラデストのワインがこの地で生まれ、そしてそれぞれの形で発展し、産地として成長してきていることを感じました!!

萌芽が始まりました!

ブドウ畑では結果母枝(けっかぼし)の誘引や休眠期防除が完了し、いよいよ萌芽が始まりました。4月は寒い日も多かったのですが、ほぼ例年並みのゴールデンウイークの頃の萌芽になりました。これから本格的にブドウ栽培のシーズンが始まります。昨年、一昨年と異常な暑さのために、一部の畑では晩腐病などの病害による被害もありました。そのような畑では、ブドウの幹の樹皮を剥いて、丁寧に休眠期防除をするなどの対策をとり、今年はよい収穫が迎えられるように努力しています。

 

またコウモリガなど、幹に入って樹を枯らしてしまう虫の食害や、凍害などにより、生育途中で枯れてしまう樹もありますので、補植をしながら将来に向けて畑を維持していきます。

 

近年の異常気象で天候の変動幅が大きくなっています。異常に暑くなったかと思えば、冬は厳しい寒さになったり、雨が全然降らないかと思えば、大雨になったりなど。雨よけや防除などすぐにできる対策をしつつも、日本ワインブドウ栽培協会(JVA)とも協力して、将来に向けて新しい品種の評価をしていくことも重要と考えています。今年はどんなヴィンテージになるでしょうか。

 

2024ヴィンテージのワインの樽出や瓶詰も進めています。冬の間、のんびりと働いていたスタッフも、これからモードを切り替えて秋の収穫まで突っ走っていきます。

510日、11日は東御ワインフェスタが開催されます。10年以上前に始めたころは東御で3つだったワイナリーも、今では15軒になり、個性豊かな魅力あるワインが揃います。各ワイナリーの造り手が自らブースに立ちますので、ぜひ、参加いただき、それぞれの造り手と会話しながら楽しんでいただければ幸いです。

 

東御ワインフェスタ 2025

> 2025510() 

昼の部:12:0018:00、夜の部:18:3021:00(事前予約制)

> 511()  11:0016:00

JA信州うえだ ラ・ヴエリテ 屋外特設会場(雨天実施)

(しなの鉄道「田中駅」徒歩約5分)

★ぜひ“マイグラス”を持って、お出かけください★

春が近づいてきました

今年の冬は、3月になってからまとまった雪が降りましたが、それまではほとんど雪が積もることがなく、剪定作業が順調に進みました。ちょうどピノ・ノワールの剪定作業が終わったところです。
      
ヴィラデストでは、今、約1ヘクタールの畑でピノ・ノワールを栽培しています。玉村が1992年に植えたのが始まりです。ピノ・ノワールは果皮が薄いため、収穫前に雨が降ると果粒が割れやすく、そこから病気が拡がることもあり、いったんは栽培を諦めていたのですが、2003年にワイナリーが開業し、そして、2004年に畑を拡大する際に、新たに植え付けをしました。ちょうどそのころに、当時おそらく日本ではほとんど手に入らなかった、オーストラリアの「MV6」というクローンを、ある苗木業者さんが海外から輸入して販売を開始した時期で、それをタイミング良く入手することができました。
ブドウの樹は種(たね)で増やすのではなく、剪定枝を接ぎ木して増やしていきます。理論的には、1本の樹の剪定枝から無限にその樹のコピー(クローン)ができますので、各地で選抜された優秀な性質をもった系統が、それぞれクローン番号をつけて管理されています。

その後も、その苗木業者さんがピノ・ノワールの新たなクローンを海外から導入するのにあわせて、ヴィラデストでも数種類のクローン(115、667、777、UCD5、Abelなど)を導入し、試していきました。なかでも、最初に植えた「MV6」は小ぶりの房で、色づきも良く、比較的割れにくい性質があり、ヴィラデストの気候条件にあっていたようです。その後は「MV6」を中心に増やしてきましたが、それぞれのクローンには糖度が上がりやすいとか、香りが出やすいとか、色づきが良いとか、様々な特徴がありますので、ひとつのクローンに絞るのではなく、いくつかのクローンが併存することがワインの味わいの複雑さにつながると考えて栽培しています。
ただ、「MV6」が割れにくいといっても、ピノ・ノワールは他の品種と比べると雨に弱いですから、収穫前に秋雨が続いたり、台風がきたりすると大きなダメージを受けます。現在はブドウの房の上にビニールをかける「雨よけ(グレープガード)」を導入することにより、雨によるダメージを大幅に減らすことができるようになりました。
ピノ・ノワールは雨が少なく、また冷涼な気候を好みます。最近は北海道のピノ・ノワールが注目を集めていますが、長野の標高の高い畑(ヴィラデストは標高850m)のピノ・ノワールは、より豊かな果実感や柔らかい味わいが特徴で、長野の気候風土を反映した魅力を充分に感じられるワインになると考えています。長野の赤ワインというと、メルローがまず思い浮かぶと思いますが、ピノ・ノワールもぜひ試してみていただければ幸いです。

1月から3月にかけては、各地の試飲イベントに出展したり、スタッフと一緒に他社ワイナリーを訪問したりなどしました。
冬の間にリフレッシュ、そして、新しい知見を得て、また新しいシーズンに向けてスタッフ一同、頑張っていきます。

 

ショップ、カフェは1月、2月と冬季休業していましたが、3月8日からオープンしました。2025年のシーズンもいよいよ始まります。今年もワイナリーでお会いできることを楽しみにしています!

剪定作業がはじまりました

世間より長めの年末年始休暇をとり、充電完了したスタッフは、1月中旬からブドウの樹の剪定作業を開始しました。

 

剪定作業では、昨年伸びた新梢を切り戻し、樹形を整えると同時に、今年の収穫量の調整も行います。数年先を見据えて枝を切る必要がありますし、一旦切ってしまうと決して元通りにはならないので、剪定作業はブドウ栽培において、最も経験と技術が必要で大事な作業といえます。

ただし、ヴィラデストには3万本近くの樹がありますので、迷っている暇はなく、残す枝を瞬時に判断して仕事を進めていかなければなりません。静かな冬の畑で剪定作業をしていると、ブドウの樹と一緒に心もリセットされ、今年が良いシーズンになるようにと期待が高まります!

2023年、2024年と異常な暑さになりましたが、2025年はどんなヴィンテージになるでしょうか。“異常気象”と言われるのが普通になっている昨今ですが、その年の気象条件下でベストを尽くし、土地の個性、造り手の個性が感じられる、おいしいワインを生み出せるように努力しますので、本年もどうぞよろしくお願いいたします!!

 

今年、ヴィラデストでは、シャルドネからつくる「オレンジワイン」や「スパークリングワイン」も発売の予定です。発売は春以降になりますが、ご期待ください!

「オレンジワイン」は、もちろん、果物のオレンジからつくるワインではなく、オレンジ色や琥珀色のワインのことで、白ワイン用のブドウを用い、赤ワインのようにブドウの皮と果汁を接触させながら発酵します。ブドウの皮や種から抽出されるタンニン分により適度な渋みとボディ感があり、アプリコットや紅茶のような独特の香りが特徴的です。

ヴィラデストでは、過去にも2009年にごく少量のピノ・グリを原料とした「オレンジワイン」をつくったことがあるのですが、昨年は、東御市・御堂(みどう)地区の自社畑産シャルドネを原料とし、導入したばかりのコンクリートタンクを用いて「オレンジワイン」を醸しました。コンクリートタンクはステンレスタンクよりも酸素を透過しますので、抽出されるタンニン分がより柔らかい味わいになると考えています。

 

先日は、長野県原産地呼称管理委員会のワイン委員会で「GI長野」の審査会に参加しました。“GI” は「地理的表示(Geographical Indication)」のことで、原産地の特徴と結びついた特有の品質や高い評価を備えている産品について、その原産地を特定した表示をすること。世界的に有名なものに「ボルドー」「ブルゴーニュ」などがあります。現在、日本国内では、ワインの地理的表示として北海道、山形、長野、山梨、大阪の主な5つの産地が国税庁によって指定されています。「GI長野」は2021年に指定され、4年ほどが経ちました。「GI長野」に認定されることで、ワインの素性や品質が保証されますので、ワインショップなどでワインを選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。

あらためてのご案内になりますが、2月1日(土)に「GI長野ワインフェス 2025」が軽井沢プリンスホテルにおいて、長野県ワイン協会主催で開催されます。長野県内約30のワイナリーが集結します。1部は酒販店や飲食店向け、2部は一般向けとなります。

ぜひ、ご参加ください!!