結果母枝の誘引作業を行なっています

2022.04.14

ブドウ畑では、剪定作業で残した「結果母枝(けっかぼし)」の誘引作業を行なっています。
剪定作業が終わった状態の枝(下の写真の左側)を、ワイヤーに沿って誘引してテープで固定します(同右側)。この「結果母枝」にある芽から新梢がでて、それがどんどん上に向けて成長する過程で花が咲き、そして実がなります。

この時期になると、よく「ブドウの涙」という言葉を耳にしますが、ヴィラデストの畑でもブドウの樹が水を吸い上げ、枝の切り口からポタポタと樹液が滴り落ちています。このような状態になると、冬は固かった枝が柔らかくなり、誘引が可能になります。ただ、油断すると途中でポキッと折れてしまいますので、慎重に作業を進めることが必要な仕事です。
これが終わったら、昨年枯れてしまった樹の場所に、新しい苗木を補植したりなどなど、ゴールデンウイーク頃に萌芽するまでにするべき仕事はたくさんありますが、4月下旬からは新たなスタッフも加わりますし、パワーアップして頑張ります!

 

4月7日には、日本ワイナリー協会主催で、『ハイブリッド・オンラインセミナー Making Pinot Noir in 2 places : Bourgogne & Hokkaido - 2拠点(ブルゴーニュ&北海道)でピノ・ノワールを造る』と題したピノ・ノワールのセミナーが開催されました。
フランス・ブルゴーニュの「ドメーヌ・ド・モンティーユ」と、日本の3会場(北海道、長野、山梨)をオンラインでつなぎ、まずはフランスから、エティエンヌ・ド・モンティーユさんのお話を聞きました。

その後のテイスティングセッションでは、モンティーユさんのほか、北海道からチトセワイナリー 三澤計史さん、山崎ワイナリー 山崎亮一さん、そして、長野からヴィラデストワイナリー 小西が参加。それぞれのワインを説明しながらテイスティングして、意見交換をしました。
オンライン視聴に加えて、会場でのリアル参加も可能なハイブリット方式で開催され、長野はヴィラデストの“兄弟ワイナリー”であるアルカンヴィーニュが会場となりました。

実は、最初にセミナーのタイトルを聞いたときに「どうして長野が入っていないの?」と思ったのですが、これはモンティーユさんが、北海道の函館でも畑を拓き、委託醸造ながら北海道のピノ・ノワールを用いてモンティーユブランドのワインをリリースされているから(仏・ブルゴーニュと北海道でワインをつくっているから)ということでした。
ちなみに、モンティーユさんはカリフォルニアでもピノ・ノワールをつくっているそうです・・。

モンティーユさんの北海道のピノ・ノワール、そして、ブルゴーニュはヴォルネイのピノ・ノワールを飲み比べましたが、どちらもその土地の個性を映した非常に魅力的なもので、どちらが優れているということはないように感じました。北海道のワインは非常に繊細で優しく、柔らかい味わい。モンティーユさんもその出来栄えにとても満足していたのが印象的で、日本では日本らしい唯一無二のワインをつくればいいのだ、と改めて認識することができ、とても貴重な経験になりました。

ピノ・ノワールは果皮が薄いので、収穫前に雨が降ると果粒が割れてしまい、暑い年は色づきが悪く、酸が下がりやすいなど栽培は容易ではありませんし、その土地の土壌や気候の影響を非常に敏感に反映する難しい品種です。しかし、ヴィラデストは雨が少なく冷涼であるという点で、ピノ・ノワールにとって日本で有数の恵まれた場所であることは間違いないと考えています。約1ヘクタールのピノ・ノワールの畑をしっかり管理して、更に魅力あるピノ・ノワールを造っていきたいという思いを新たにしました。
セミナーを企画された日本ワイナリー協会顧問の石井もと子さん、準備などお手伝いいただいた皆様、ありがとうございました!!