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カフェのメニューから、レシピ紹介 (ここでご紹介するレシピは東京書籍の『ヴィラデスト・カフェブック』に掲載されています。
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ヴィラデストの秋は、野菜畑の風景から変わっていきます。
毎日あれほどたくさん赤い実をみのらせていたトマトが、9月なかばになると木のてっぺんにだけわずかに実を残すようになり、下のほうから葉が枯れてきます。
ズッキーニは涼しさが戻って一時的に元気になりましたが、またすぐに収穫が少なくなります。高原の秋は短くて、忍び寄る寒気でおいしかった秋ナスも急に硬くなってしまうのです。10月の第1週を過ぎれば、いつ初霜が降りても不思議ではありません。
この時期の畑で元気なのは、ビーツ、ニンジン、カブなどの根菜類。ほうれん草、春菊、水菜、青梗菜などの葉ものも、寒さに向かって意気軒昂です。ピーマンは、葉は霜にやられますが、しばらくのあいだ実のほうは大丈夫。ハーブ類は寒さに弱いものが多いのですが、セージやバジルも2、3回の霜には耐えるようです。
そんな秋には、畑を見まわって食べられる野菜を探し出すのが日課になります。まだラディッシュがたくさんある、ビーツとフェンネルはあと何株くらい、チコリは薹が立って葉は苦いが青い花が使えそう……。
ある日、大根とカブとカリフラワーという白い野菜ばかりが採れたことがあって、どうしようか考えた結果、全部を軽く直火で焼いて、春菊のソースで和えてみようと思い立ちました。大根はナマでかじったら辛かったので、火で炙れば辛みが甘さに転化するだろうと思ったのです。春菊は柔らかくて甘く、潰して醤油とオリーブオイルを混ぜるとおいしいソースになることは何度も試したことがあ
り実証済みでした。
大根をちょうど甘みが出る程度に表面だけ焼いてオリーブオイルを絡めると、それまで日本的だと思っていたこの野菜が別の表情を見せて人を驚かせます。カブもカリフラワーも焼き網のあとが黒くついて、タイツをはいたようなお洒落な感じに……。
ふだんは「農園の秋野菜もりあわせ」とメニューに書いておき、中身の野菜はそのときどきで変化させるのですが、窮地に陥ったときにこそ新しい料理を思いつくものです。