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カフェのメニューから、レシピ紹介 (ここでご紹介するレシピは東京書籍の『ヴィラデスト・カフェブック』に掲載されています。 
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例年、トマトが赤くなるのは7月の後半、それも最初のうち下のほうの段につく実には味が乗っていないので、実際においしく食べられるのは8月に近くなってからのこと。ところが近年は温暖化のせいか、この時期が少しずつ早くなってきています。
トマトの成熟具合についてはファームのスタッフから適宜報告が入りますが、私も毎朝犬の散歩のときにトマト畑に立ち寄り、いつからメニューに使えるかチェックします。摘んで食べて、気持ちよく喉の渇きが癒せればそろそろ登場のタイミングです。
シーズンの幕開けは、トマトタワーで行きます。何種類かのトマトをいくつかの調理法で取り合わせ、皿の中央にタワーのように積み上げた前菜です。
ニューヨークのジャン・ジョルジュというシェフが、大きなトマトを横に薄く何枚かにスライスし、それぞれの間にオイルとヴィネガーを塗ってバジルの葉を挟んだ料理を「トマトタワー」と称していることを知り、面白いので名前だけ借りて、ただしこちらは本当にタワーのようにたくさんのトマトを積み上げることにしたのです。だって、ヴィラデストには余るほどトマトがありますから。
トマトは、いったんシーズンがスタートすれば、9月なかばまで毎日次々と赤くなって止まることがありません。いちおうカフェで使う量を予測して栽培面積を決めていますが、とくに暑くて雨が適度に降る夏には考えていなかったほど大量の収穫があり、とても料理に使うだけでは処理しきれない。
トマトの採れる真夏はカフェがもっとも忙しい時期で、連日のランチの仕込みだけで夜遅くまで働かなければならないのに、スタッフは厨房に持ち込まれた大量のトマトをオーブンでローストしたり、潰してから煮詰めてソースにしたり、保存のための処理にも追われます。その日のうちに処理しなければ、翌日また同じ量が持ち込まれるのだから待ったなし。
ヴィラデスト・カフェは、料理人が野菜を使う店ではなく、野菜が料理人を使う店なのです。