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カフェのメニューから、レシピ紹介 (ここでご紹介するレシピは東京書籍の『ヴィラデスト・カフェブック』に掲載されています。
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春の遅い信州の山の上で、最初に採れる野菜がアスパラガス。ヴィラデストの周辺では、4月の後半くらいから収穫がはじまります。
アスパラは、なによりも鮮度が命。数時間の差で味が大きく変わってしまいます。本当は、畑に生えているのをポキッと折って、そのまま生で食べるのが最高なのですが……。そんな畑の情景を想像してもらうために、地下茎から伸び出した花茎が土を破っていままさに顔を出す……という瞬間を、お皿の上に表現することはできないだろうか。
そう、考えた結果、「アスパラ畑」という料理を思いつきました。畑のアスパラを丸ごと食べてもらうイメージから、中のエキスを一滴も無駄にしないよう、茹でた汁をゼリーで固めて土台にしました。ゼリーの中に透けて見えるアスパラは地下茎をあらわし、頭を出した茎の周囲には盛り上がった土がこぼれている……。
このあたりで栽培しているのはグリーンアスパラです。昔は缶詰用のホワイトアスパラも栽培していたそうですが、手がかかるので誰もやる人がいなくなりました。つぼみが顔を出す前から日光が当たらないように砂土をかけて白軟化させるやりかたは古代からのもので、いまでもフランスやドイ
ツでは初夏のシーズンになると人びとは太いホワイトアスパラに夢中になりますが、イタリアやイギリスでは、昔からグリーンアスパラもよく食べられて来ました。白いアスパラに溶かしバターをたっぷりかけて食べるフランス式のやりかたもたしかにおいしいものですが、健康的な……と考えるとやや問題がありそうです。太陽に当たってビタミンと葉緑素をたっぷり体内に取り込んだグリーンアスパラを、さっぱりとしたソースで食べるほうがヘルシーだとはいえないでしょうか。
フランス料理の料理人がかならずアスパラの皮を大きく剥くのも、皮が硬くて厚いホワイトアスパラを料理するときについた癖だと思います。厨房のすぐ前の畑で採れるグリーンアスパラは、皮までみずみずしい柔らかさです。